お知らせ

10.震災から5年

多くの命が奪われた東日本大震災から間もなく5年になります。
大地震、大津波、原発事故は、甚大な被害をもたらし、社会の価値観さえ変えるほどの出来事でした。厚生労働省の2011年6月13日時点でのまとめでは入岩手、宮城、福島の3県で、居型の介護サービス施設では、建物の全壊・半壊52事業所、ご利用者の死亡・行方不明485名、職員の死亡・行方不明173人の被害がありました。そして、今なお復興の途上です。
日本で生活する限り、誰もが、自然災害と無関係でいられないことは、十分認識しています。介護サービス事業所ももちろん例外ではありません。そこには自ら避難することができない人が多く利用していますので、事業所・職員が守らなければなりません。ご利用者にとって職員は生活インフラに匹敵するくらい大切な人たちです。
一方では、職員は地元で生活する人であり、ご利用者にとっては「支援者」ですが、自らは「被災者」になります。ですから、ご利用者の生活を守るためには、そこで働く職員を支援していくことが大切です。
1995年の阪神淡路大震災の際、緊急医療の必要性が叫ばれ、2005年に日本DMAT(災害医療派遣チーム)が創設されました。国の災害基本法にも位置づけられ、東日本大震災でも大きな活躍をしました。
一方、介護の現場でも、さまざまな形で支援活動が行われましたが、事前に組織化されていたものは少なかったと思います。私達の法人も、地域の仲間と共に発災直後から6カ月、3年となる年度の1年間、被災された地域にケアスタッフを派遣し、可能な範囲でお手伝いをしてきました。現在は、27名の職員が事前登録を行い、研修も始めました。
しかし、災害介護派遣チーム(DCAT)は、まだまだ広がっておらず、法的裏付けもありません。高齢社会で、生活の支援を必要とする人が多くなった時代だからこそ、災害介護派遣チームの組織化を図っていく必要があると思います。