お知らせ

17.自分が使いたいサービス①

この連載の初回で、「自分だったらどうだろうか」との問いかけをしました。私たちの法人では施設建設・運営に当たって必ず、それを念頭に置いています。
10年前に燕市で始めたデイサービスについて紹介してみたいと思います。私はそれまで、デイサービスに対し、いっぱい疑問や不満を持っていました。〈なぜ、全員が午前中に入浴しなければならないのでしょうか?〉私は一人で午後にゆっくり入浴したい(入れてほしい)と思います。〈なぜ、午後から全員で同じレクリエーションをしなければならないのでしょうか?〉私は時々一人で過ごす時間がほしいと思います。〈なぜ、デイサービスの建物の中だけで過ごさなければいけないのでしょうか?〉私は、外にも出かけたいと思います。
いろんな疑問から生まれた、このデイサービスの基本的な考え方は「デイサービスはケアをしてもらう場所ではなく、たとえ障がいがあったとしても、ご利用者一人一人の生活の幅が広がり、新たなことを獲得する場所」です。
1日の過ごし方は自分で決め、お風呂は午前午後の入浴したいときに入ります。食事はバイキング方式で選んで食べます。すぐそばに市が立つので日常生活に必要な買い物ができ、街に出かけることを奨励します。木工、マージャン、手芸など、これまでしてきたことをやりたい人がします。陶芸、七宝焼き、パン作り、パソコンなど、新たなことを覚えることを支援します。
さまざまなメニューから自分で選び、日々を過ごします。皆さん、生き生きと新たなことに挑戦されるようになりました。自分で決めたことは、納得して実行されます。多くのデイサービスが、男性の人の利用が少ないといわれますが、男性が半数近くを占めます。男性は場だけではなく、もう一つやることがないと参加してくれません。ここなら、私も利用してもいいかなと思っています。

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