お知らせ

18.自分が使いたいサービス②

私たちの法人では、有料老人ホームの中の4室を、高齢者向けのウイークリーマンションのように活用しています。ベッドや家具、テレビ、TV、炊飯器、鍋や食器など生活に必要なものは全てそろえ、希望すれば食事のサービスを受けることも可能です。
これまでの利用理由としては▽中越沖地震で被災された方の一時避難の生活場所▽家族の虐待からの避難▽自宅の新築・改築時の仮住まい▽冬季は自宅での生活が困難なため▽高齢になり障害を持った人が、住み替えのためのお試し利用▽併設されているデイサービスを使うため、その間だけ入居―がありました。
最も意図したことは、ご利用者自らが希望して、ご家族と一時的に距離を置く時間と場所の確保という利用です。
高齢者施設は今まで、家族の意向を中心として入居する傾向がありました。しかしここは「自分が家族と時々距離を置く場所」です。どんなに仲が良い家族であっても、時には距離を置きたいことがないでしょうか。離れて過ごすことにより関係の維持が可能になり、気持ちや身体の疲労を取ることができます。それが共に暮らす時のエネルギーになると思います。
自分で物事を決めるのは、生活の基本の一つです。高齢になり障害を持っても、自分で決め生活を組み立てていくことが大切であり、施設に入居後の生活の意欲も、納得して入居するのと、納得しないで入居するとでは全く違ってきます。
入居する施設についても、家族ではなく、高齢者自らが決めていくことのできる環境づくりが必要です。それには私たち介護保険サービスを提供する側も、高齢者が「ここなら入居してもよい」と言ってもらえるような施設づくりを具体的に進めていかなくてはなりません。