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21.施設生活の疑問-入浴

施設生活には数々の課題があります。私たちは、これらを変えていきたいと日々、取り組んでいます。人員体制をはじめ、難しい課題ですが、大切なことは「まず疑問に思うこと、発想を変えること、そして少しずつでも変えていく努力をしていくこと」だと思います。
まず、介護保険法では、入居施設の入浴サービスは週2回以上と決められています。2回以上ですから、3回でも毎日でもよいのですが、ほとんどの施設が週2回です。私なら他のサービスを削ってでも、もっと多く入浴させてほしいと思います。
また、お風呂の時間になると脱衣場の前で待たせられたり、嫌がる認知症の人などは無理やり入浴をさせられたりしがちです。お風呂は身体を清潔にすると同時に、気持ちをリラックスさせる場所だと思います。それが入浴するのに並ばされ、自分の意図しない時間帯に入浴させられるのはいかがなものでしょう。
多くの施設では入浴時に「誘導係、外介助、中介助」などと職員の業務分担がされています。誘導係はご利用者をお連れする係で、お連れすれば役割が終了します。ですから認知症の人が嫌がると、「散歩に行きましょう」などと、うそを言ってお連れしてしまいがちです。お風呂場では数人が待ち構えていて、無理やり服を脱がしてしまいます。
誰だって、納得しないまま服を脱がされようとしたら抵抗します。ご利用者には、職員との信頼関係どころか不信感が高まります。これを改善するには入浴の仕組みを変えることです。「誘導係、外介助、中介助」などの分担介護をやめ、同じ職員が最初から最後まで関わる仕組みにすることです。そうすれば、うそなどを言わずに、ご利用者との信頼関係を築くことから始めます。無理やりお風呂に入れるような行為はご利用者のストレスを高め、認知症の人の周辺症状を誘発させがちです。