お知らせ

20.自分が使いたいサービス④

皆さん、理美容はどこでもよいですか。女性の方は特に、「行きつけの美容院がいい」と答える方が圧倒的です。施設の生活ではどうでしょうか。
施設には理髪店などが来られることが多いのですが、私たちの日常と同様、今までのところに行けるといいと思いませんか。私たちの施設では、施設内理容院、訪問美容院、行きつけの理美容院と、ご利用者の意向で使い分けています。選択できることが大切だと思います。
認知症のご利用者が「自分は郵便局に預金があるんだ。お金がどうなっているか気になって仕方がない」と言うような場面がよくあります。その時、職員が「○○さん、大丈夫ですよ。ちゃんとありますから」と答えても、ご利用者は納得しません。当たり前です。職員が、ひとまず納得してもらうために言っているのですから、説得力がありません。
それよりも一緒に近くの郵便局に行き、郵便局の人に説明してもらう方が納得してもらえると思いませんか。ごまかそうとするのでなく、きちんと向き合い、事実を確認していく姿勢が大切だと思います。
誰でも外出の際は少し緊張し、服装などを意識します。出かける機会を多くつくってくれる施設が良いですね。施設では集団で出かける外出ツアーがあります。もちろん集団で出かけることも大切ですが、個人での外出を希望した時に可能になることが必要です。
私は以前、Aさんに、お宅のお墓参りにお連れすると約束しました。しかし、忙しさにかまけて先延ばしにしているうちに、Aさんは具合が悪くなり、亡くなられてしまいました。「自分の家のお墓にお参りしたい」というAさんとの約束を、結果として破ってしまいました。それ以降、希望されていることは、できるだけすぐにかなえるようにしよう、と心に誓っています。